
鰻の食用の歴史は非常に古く、縄文時代の遺跡からの出土例が報告されています。
また鰻の豊かな栄養ついては奈良時代の頃から知られていたようです。
土用の丑(うし)の日に鰻を食べる習慣は、今から二百数十年前、萩生徂徠(おぎゅうそらい)が蜀山人
(しょくざんにん)に伝え、山人が広めたものといわれています。
体力を消耗しやすいこの時期に消化のよい高タンパク質食品の鰻を蒲焼きにし、
山椒の粉(サンショウも漢方では健胃消化薬)をふりかけて食べると元気の発散を防いでくれます。
また夏やせにウナギ食(め)せ、とは万葉集の大友家持の歌にもあります
(石麻呂にわれもの申す夏痩せによしというもの鰻漁り食せ(とりめせ))。
たれは、蒲焼のうまさを左右する大事な決め手となります。
そのため、古くから専門店は独特の製法による秘伝の味を守り続けてきましたが、
各地方によってもそれぞれに味の工夫がみられ、その風味は微妙に異なっています。
またかば焼きは、たれの中で付けだれ(3回付けを行う)をするので、
毎日の調理を繰り返すことで、たれに鰻のうまみが溶け込んでこくのある
調和のとれたうまみを醸し出します。沢山の鰻を焼きあげる店のたれがおいしいといわれるのは
このためです。
関西風では、鰻を蒸しません。太い鰻ではくどくて食べられないので、細めの鰻を調理します。
一方、関東風では、鰻を蒸すので、脂や臭みがとれます。
ですから、関西風に比べ幾分か太めの鰻を調理します。
備長炭で焼いた鰻とガスや電気で焼いた鰻とでは、微妙に味わいが違います。
ガスや電気で焼いたものは少し表面が硬く、炭焼きの鰻は香ばしくても表面が柔らかくなります。
口に入れた瞬間にわかりますが、炭は水蒸気を出しながら燃えているので、その水蒸気が
焼いている鰻の表面をしっとりさせます。